2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

将来の展望を設定する時は、最善か最悪か、楽観か悲観かの極端な二択にならぬよう、現実的な視点を持ちましょう。試験等のゼロサムゲームを除き、世の現象は多くの場合、最善の結果にも、最悪の結果にもならず、善悪・好嫌相半ばする中点で収束します。智慧…

幸福は終焉し、老いに苦しみ、力無く。人間であれ他の生物であれ、苦は一切有情に内在しています。害意を示す側も示される側も、哀れで悲しすぎる小さな存在です。相手を言葉で打ち負かそうとせず、ざわついた心を静めて下さい。きっと相互に深い慈しみと哀…

決定論や自由意志論というのは、世界をあるがままに読んでいるのではなく、自分の仮説に世界を無理矢理押し込んでいるに過ぎません。強烈な不善バイアスの影響下であなたが何を意図しても、それは自由意志とは言えません。仏教とは自由になる道だという時、…

悪意ある言葉がふと心に浮かび、言うべきでないと知りつつ、熟慮せずに言葉にしてしまう。人生の悲劇はそんなふうに始まります。絶対に人を傷つけてはいけません。絶対に追い詰めてはいけません。「ダンマのみを語れ。さもなくば聖黙していなさい。」この原…

生きていくには喜びと平安が必要です。ダンマに生きる人も例外ではありません。愚かな人は貪りの中に喜びを見出し、混乱した状況を作り出しますが、智慧ある人はあるがままの環境で質素に生きる自分に満足し、幸福な心に住するのです。不善心は一切を醜悪に…

何かを我慢するとは周りに適応する為に欲望や怒りに蓋をする事です。しかし一生我慢し続けたところで、臨終時、或いは記憶混濁時には、蓋は外れて押さえていた感情が吹き出します。故に他律は役に立たないのです。自らを律するとの強い意志で、その都度問題…

お釈迦様は涅槃を証悟されたとき、悟りを人々に伝えるのをためらわれました。あまりに世の習いに反している、というのがその理由です。仏教で自らの目標を肯定し大志の裏書きを得たいなら必ず失敗します。願望成就ではなく、根源的な苦の終焉を希求するなら…

言葉や行動の領域では、怒りを表明することが、最も危険です。自他を刃物で切りつける程、危険です。心の領域では、「私、私」と私印をありとあらゆる物に貼り付けたり、「私の箱庭」を熱心に夢想することが、最も危険です。どんなに熱心に修行しても、彼は…

毎日随念を修習するとは、日々随念の所縁や手順、思惟の方法を繰り返し確認し、新たな所縁を試して練習を重ねる、という意味です。一方、随念の霊感はいつでも、どんな場所でも、どんな所縁に対しても突然訪れます。その時あなたは何を置いても随念しなくて…

人生を賭ける大きな仕事を成す時は、大局的視野とミクロ的視点の両方を、同時に持つようにして下さい。大切なのは長い時間をかけて、ミクロの仕事を丹念に精密に、積み上げていくことです。大局的視野は最初は借り物でも構いません。各部品の高い精度があっ…

自ら求めていたのとは異なる現象が出現した時こそ、心を成長させる絶好の機会です。起きた現象をありのままに受け入れ、わが心にとって何が最善かを知り、すぐに対応していきましょう。たとえ遠回りに見えても、戦略ではなく愚直なまでの善なる道が、すべて…

この人生はただ一度のものではなく、無始無終の輪廻の一コマにすぎません。天国も地獄もないのではなく、上に26層、下に4層の境界があり、業と業果の法則に従い様々に転生流転していくのです。その事実を禅定と慧眼により明かに観る時、私達の心から慢心は消…

この世を浄美と見誤って生きる人は、渇愛を肯定します。感覚を楽しみ、食事を楽しみ、貪り、慢心し、討死します。この世の不浄を見抜いた人は、渇愛を厭い、感覚を鎮め、食事を節制し、貪欲に危険を見て、自他に対する謙虚さを貫きます。この生存を常住・常…

社会で生きていく以上、人と接する事は避けられません。常に温厚で、冷静沈着、ゆっくりと話し、正しく装い、何事も誇張せず、相手を敬い、控えめを旨とする。その上で、確固たる自らの流儀を守り、気分で変わることがない。そんな風に生きることができれば…

私達はみな不完全です。煩悩に翻弄され過ちを犯すかも知れません。平凡な頭脳、脆弱な意志。手に職もなく、お金もない。私達が置かれた状況は理想から程遠く、将来の夢も実現しそうにありません。それでも大丈夫!心配ありません。菩提心さえ燃えていれば、…

この輪廻の世界に本源的に内在するSaṅkhāra Dukkha(行苦)を直接感受すると、逃げ場のない苦の深い闇に、身震いし足がすくみます。その時ひとは世俗的な一切の希望を失います。でも心配はいりません。輪廻を厭い、不死の甘露に至りたいとの熱望の光が、代わ…

人のせい、状況のせい等、いつも自分以外のせいにばかりしている人は、世間でも出世間でも、決して成功できません。過去に自分が不当な仕打ちを受けた等と、しつこく言い続けていても仕方ありません。もういいじゃないですか!成功する人はいつでも、元気に…

六欲天の初層と第二層は、人間界と強い絆を持った四天王天と三十三天という天界です。私達を日々守護し、人智を超えた祝福を下さる仏法護念の天神衆が住んでおられます。日本という国が如何に護られているか、驚嘆に値します。真の国難に際しては、神々によ…

文字の知識を離れ、現象を在るが儘に見て下さい。心が瞑想的寂静に住していますか?一切の思考が鎮まっていますか?如何なる先入見も幻想も受け入れないで下さい。そうすれば如実に真理が見えてきます。性味象因もその真理を是認してくれます。無常・苦・無…

そっと目を閉じ、静かに息を吸い、静かに息を吐く。しばしの間、決して不善な想いを生起させないと決意し、静かに息を吸い、静かに息を吐く。息が入る。息が出る。なんと瑞々しい感覚だろう!瞑想の肝は方法でも目的地でもありません。今この瞬間の心の状態…

「今この瞬間に気づかなくては!」「目の前にあるこの現象を、あるがままに観なくては!」「さあ、頑張れ、しっかり気づけ!今この時を、この場所を、この感覚を!」もしあなたがこんなふうに気づきの瞑想をしているなら、完全に間違っています。それは不善…

何年も前に受けた酷い仕打ちを思い出し、蒸し返し、怒り、苦しむ。しかしあなただって、完全ではなかっでしょう?過去は既に過ぎ去っており、書き換えられません。過去の遺恨に汚されて生きるのは、不善な自傷行為です。今この瞬間だけに心を向けて生きれば…

この人生でできる最上のことは、苦の元凶である輪廻を超越し、不死なる甘露、永遠に続く静寂な至福に至る事です。その道は中道と呼ばれ、八つの聖なる道からなり、諸悪莫作・衆善奉行・自浄其意を実践します。私達は先ず教えを忠実に学び、次に止観行で一つ…

Dosaは怒り、嫉妬、悲しみ、不安、恐怖、物惜しみ、悔恨などを生み出す、非常に強い根本煩悩で、それが向けられた相手と自分自身を壊滅的に傷つけます。Dosaが生起する時、背後には必ずその生起因となる強力な貪りがあります。貪りの対象が得られない現実を…

ほとんどのCittaが概念を所縁として生起します。今この瞬間この場所で生起しているのに、Cittaはここを向いていないのです。私達は一生の相当な時間を、このように過ごしています。観行において私達は、一刹那の生起生滅を詳しく識別しますが、すぐに新たなC…

激しい怒りの爆発を浴びそうになったら、一言も語らず大急ぎでその場から逃げ出して下さい。既に心は相当傷ついているはずですが、罵声の応酬をするよりずっとマシです。若木には柵が必要です。火事が周りの家々にあっという間に燃え広がるように、一人の怒…

客観的に自己分析する力は私達を窮地から救ってくれます。ストレスの大きい現代社会では多くの方々が鬱的症状に悩まされていますが、その状態を放置すれば心のしこりが腫れ物のように敏感に拒絶反応を起こします。早い段階で何が苦なのかを自身ではっきり知…

怒りで他人の言葉が聞けない人、欲に心が奪われた人、記憶が混濁した人、そんな方々は、諦めて離れるのではなく、心に直接語りかけると、うまく想いが伝わるかも知れません。会話で理解し合うのが困難な時、視覚や触覚や香りや味や歌や自然音を巧く使えば、…

老いで希望の光が消えるのではありません。何歳であろうと、どんな環境にいようと、最初から光などないのです。ただ轉倒見によって、永久に続く幸せが、快楽が、なりたいものになれる人生が、まるで現実かのように見えていただけです。老いで幻惑が消えれば…

人の心に仏性が発芽すること自体、大きな奇跡です。彼はダンマに生きる善友と巡り会い、話を聞いてみようと思う。善友は、彼が必要とするダンマを正に受容できる範囲で伝える。彼は謙虚な心で善友の話を聞き、菩提心を生起させる。機が熟せば彼の波羅蜜が、…