お釈迦様の在世当時、
多くの偉大な在家弟子の方々が、
預流果や、それ以上の境界に、
達せられました。
卓越した定力や知識がなくても、
無常・苦・無我の三相を、
本当に実感し、世を厭い、
息もできぬ程に三宝に救いを求め、
善行の中で自己を失えば、
現代人のあなたにも、
それは大いに可能です。

技術は貪るに価しません。
技術は素晴らしい速度で進歩しますが、
将来、必ず陳腐化します。
将来、陳腐化するものには、
執着や散財をせずに、
抑制的で受動的な態度を保ちましょう。
そうすれば本当に価値あるもの、
陳腐化せず、永く輝きを失わない、
魂の成長、感動、喜びの大切さが見えてきます。

相手の反応に過敏となる余り、
思いをはっきり伝えられない大人達を、
子供の頃からたくさん見てきました。
気持ちはよく分かります。
でもそれは奥ゆかしさではなく、
有害な悪癖です。
相手の気持ちを聞き、
自分の気持ちも伝えた上で、
慈愛を以て折り合いをつけていく。
これが正しい会話法です。

致命率は低下していますが、
コロナの第二波が欧米で猛威を振るっています。
山積する国際問題。世界経済崩壊の予感。
未来への不確実感が、
私達の全体感情を重くしています。
所詮、世界はこんなものです。
私達はこの絶好の機会に無常・苦・無我を念じ、
渇愛からの厭離を徹底的に随念するのです!

渇愛の対象が得られなければ、
怒りや嫉妬が生じます。
我見が強い人は、自尊心が毀損されたと感じ、
さらにDosaを生起させます。
そして論理のすり替えをしてしまう。
懲罰の為の怒り等、身勝手な言い訳を掴んで、
心から信じてしまいます。
Dosaが生起したら、
その因を正確に分析する事が必要です。

娑婆世界は時に迷路のようにこんがらがって、
無事に抜け出せる方法は無いように見えます。
「もうダメだ、私は詰んだ!」
心はダメな理由をまくし立てます。
しかしいくら将来を悲観視したところで、
まだ何も起こっていません。
大抵の偉大な成功は、
概ねそこら辺りから始まる事を、
学んで下さい。

戒律は、それが成立した時代と地域の、
文化や生活様式の香りがします。
仏教も基督教も回教も、
「異国、異人、異教」の微かな異臭がするのです。
釈尊の御遺言にある通り、ブッダ・ダンマの真髄は、
各時代や文化の中で最適化していく必要があります。
仏教を「伝統文化保存会」にしてはなりません。

修行でも、世俗の人生でも、
あなたが本当に成功を願うなら、
いつも明るく元気いっぱいでいることから、
始めましょう。
肩をすぼめて、眼をしょぼつかせながら、
成功した人はいません。
復讐心で成功した人もいません。
胸を張って、自信を持って、
慈悲の心で計画を立案し、
行動していきましょう。

ひとは誰でも、自分を無条件に愛してくれる誰かを、
必要としています。
傷ついた心を癒やしてくれるのは、
どんな時も変わらず、あなたを包んでくれる、
無償の愛による承認です。
家族の、魂の師の、最愛のペットの、
無償の愛と承認によって、あなたは嫌な事を忘れ、
明日を生きる力を得るのです。

「百年間、不善行を為した人も、
三宝に帰依する心を起こし、
臨終時にひとたび仏を念ずれば、
天界に再生する」と、
BC1世紀の那先比丘経に説かれています。
仏を念ずるとは仏随念です。
後の浄土系仏教の源流もここにあります。
やはりそうなんだ!
古代仏教の本物の信仰心に触れ、
感動しています。

NY郊外の家々の窓には、
泥棒よけの鉄のバーが付けられています。
日本は安全でいいなあと思ったものです。
しかし今の日本には、
嘔吐無しには立案できぬような不善を、
平気でやる人達もいるようです。
警察への通報が唯一の選択となる前に、
釈尊ならどうされるか、考えてみようではありませんか。

仏縁というのは不思議です。
様々な表象の仕方をします。
鳴り物入りで近づいてきても、
仏縁がなければ、紐はプツンと切れて、
三宝の御許に居続ける事はできません。
縁がなさそうに見えて、
ヨーヨーのような軌道をとる、
仏徳ある人もいます。
私達の仏縁を思う時、
深い感謝の念を禁じ得ません。

容器を何かで満たしたいなら、
まずその容器の中身をカラにする必要があります。
心を神聖な喜びで満たしたいなら、
禅定で心をカラにしなくてはなりません。
心が安止すると意識は欲界を離れ、
周りの空気は高密高圧かつ微細となり、
禅定の圧倒的な力強さの中で、
心は静寂な絶対受動を得るのです。

道を究める人は、

一つの事をずっと、
黙々とやり続けます。
好むと好まざるとに関わらず、
一日も欠かさず、
どんなに逆風が吹こうと、
やるべきことを、
やり続けるのです。
そこに必要なのは、
身を捨てた覚悟です。
今上陛下も伝説のスターも、
孤高の道を歩む人には、
鬼気迫る覚悟があるのです。

五根のバランスは、
a) 信根と慧根のバランスを調え、
b) 精進根と定根のバランスを調え、
a)とb)の強度を調えて、
全体を念根でつり上げていく、
という方法で調えます。
例えば赤味が強い映像を、
捕色である緑を強めることで調和させるように、
各根は対峙する根を強める事で調和させていくのです。