ペストでケンブリッジ大学が長期休校となり、
学生だったニュートンは故郷に疎開して、
万有引力を発見したと言われます。
非日常的日常に適応せざるを得ない中、
この状況をわが最高のチャンスに転換し、
最善のものを引きだす方法を見つけましょう。
私達に必要なのは、
発想の転換と決意だけです。
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先週から傳修院で伝法を始めた三相四十行相は、
無常、苦、無我の三相を、
様々な側面から多層的に観る観法です。
例えば或る現象群、
心臓なら心臓という無数の色(しき)の連続体を、
四十の視点から識別・考察し、
内在する無常性、苦性、無我性を、
徹底的に暴き出していきます。正に至福かな!
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最後の一切れのチーズが欲しければ、
隣りの人に与えなさい。
誰かに怒りを感じているなら、
その人にプレゼントを送りなさい。
言いたいことがあるなら、
沈黙を守りなさい。
世の中はそのように動かすものです。
もしあなたが、
両手に抱えきれない程の果実を
収穫したいなら、
是非そうして下さい。
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自らの性善性を第二の天性へと高めるには、
陰徳が最も効果的です。
相手に知らせず、心からの善なる思いで、
その人の為に黙々と善行を続けていけばよいのです。
その行為を自己正当化の道具にしてはいけません。
そんな「誰も知らない秘密」があればあるほど、
あなたの心は菩薩に近づいていきます。
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コロナ危機は私達に、
世界を少しだけ深く見せてくれています。
絶対的安定がいかに脆く崩れ落ちるか。
壊れたものは二度と戻らず、
それでも世界は継続していく。
心の支えだったものの脆弱さを知り、
今や依存できる何もないという恐怖に、
心が震える。
私達は今、存在の暗い深淵を覗いているのです。
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昨日までの平穏な日々が、
今日に繋がらず、
今日の予定調和が、
明日には否定される。
存在に内在する本源的性質の
一つである「無常性」は、
私達の思惑など意に介さず、
不可逆的に変化流転を続けていきます。
凡夫はそれによって苦しみ、
聖者はそんな世界に見切りをつけて、
彼の岸に至ります。
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「身を守る」とは、
自らに対する「今この瞬間の気づき」を、
継続することです。
破壊的な現象はどのように起こるのか?
煩悩への耽溺を、
ほんの一瞬だけ自分に許してしまうこと、
そこから一切の苦が始まります。
故に「今この瞬間への気づき」の継続だけが、
我を守り他を守ると説かれるのです。
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業果は、たとえそれが破滅的なものであっても、
最初は静かに平安に訪れると、
アビダンマは教えています。
今回のウイルスも特に注目を集めることなく、
地球の片隅で秘かに発生しました。
このパターンをよく記憶しておきましょう。
将来私達を襲いうる不善果も、
たいていこのように始まるのです。
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他者の死を前提とし、
その死を期待しつつ、
自分の繁栄を求めてはいけません。
自ら地獄に堕ちることになります。
他者を没落させるための、
計画を立ててはいけません。
自らが没落します。
不善な意欲で得た利得は、
必ず数年で色あせます。
さらに晩年は苦しみ、
死後は四悪趣に堕ちていくのです。
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とても寒い夜、
暖房をつけることで命が救われる ー
しかしそれは、
国が公共インフラを安定供給してくれている、
あなたが公共料金を支払っているという、
二つの非常に脆い条件の上に成立しています。
一事が万事、
私達の生存を保証してくれる諸事は
実は脆いのだということを自覚していきましょう。