Dosaは怒り、嫉妬、悲しみ、不安、恐怖、
物惜しみ、悔恨などを生み出す、
非常に強い根本煩悩で、
それが向けられた相手と自分自身を
壊滅的に傷つけます。
Dosaが生起する時、背後には必ず
その生起因となる強力な貪りがあります。
貪りの対象が得られない現実を
受け入れられない感情がDosaです。
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ほとんどのCittaが概念を所縁として生起します。
今この瞬間この場所で生起しているのに、
Cittaはここを向いていないのです。
私達は一生の相当な時間を、
このように過ごしています。
観行において私達は、
一刹那の生起生滅を詳しく識別しますが、
すぐに新たなCittaが概念を所縁として生起します。
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怒りで他人の言葉が聞けない人、
欲に心が奪われた人、記憶が混濁した人、
そんな方々は、
諦めて離れるのではなく、
心に直接語りかけると、
うまく想いが伝わるかも知れません。
会話で理解し合うのが困難な時、
視覚や触覚や香りや味や歌や自然音を
巧く使えば、
私達の善意が届くことがあります。
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老いで希望の光が
消えるのではありません。
何歳であろうと、どんな環境にいようと、
最初から光などないのです。
ただ轉倒見によって、
永久に続く幸せが、快楽が、
なりたいものになれる人生が、
まるで現実かのように見えていただけです。
老いで幻惑が消えれば、
生の実相が明瞭に見えてきます。
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かつてあなたに喜びを与えてくれた人や物が、
変化しつつ壊れていく様子を見た事がありますか?
一切の現象はみな同じ様に消滅していきます。
眼を背けられるだけ背けて暮らし、
臨終の時まで苦を見ないように生きるのも人生、
万物の流転・崩壊を勇敢に見つめ、
世の実相を見出していくのも人生です。
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心にざわつきが生じるたびに、
すぐに眼を閉じて今この瞬間の呼吸を
見つけて下さい。
そしてあなたを元気づけるダンマの一句を、
静かにゆっくりと唱えて下さい。
それだけであらゆる災難から逃れることが
できるでしょう。
天界と人間界に用意された無尽蔵の福徳を、
享受することができるでしょう。
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効率よい修行を行うには、
何よりも先ず「条件を調える」事が大切です。
条件が欠けていれば何も達成できません。
心がダンマに向かっていないのに、
いきなり坐っても善い瞑想はできません。
がむしゃらにやらずとも、
必要条件を丁寧に調えていくだけで、
法験は自ずと向こうから飛び込んできます。